外壁工事は何日かかる?職人が工程を順番に説明します

5. 職人コラム

「外壁って、何日くらいで終わるんですか」

現場でよく聞かれます。家が建っていく過程で、外壁が張られると一気に「家らしく」なるので、気になる方が多いんだと思います。

施工歴16年の外壁職人として、実際の工程を順番に、日数つきで書きます。あわせて、施主さんが現場を見に行くならいつがいいかも書きます。

なお、ここで書くのは窯業系サイディングを金具工法で張る場合です。素材や工法が違えば日数も変わります。


全体の日数:12日前後

まず結論から。30〜40坪くらいの一般的な家で、外壁工事そのものは12日前後です。

工程日数
紙張り(透湿防水シート)1日
胴縁1日
軒天 → 壁 → 破風 → 補修8日前後
コーキング2日

足場の設置と解体は別工程になります。また、雨が降れば止まります。外壁は屋外の作業なので、天候によって前後すると思っておいてください。

順番に見ていきます。


① 紙張り(透湿防水シート):1日

現場では「紙を張る」と言います。透湿防水シートのことです。

建物の構造体の外側に、このシートを張っていきます。役割は名前のとおりで——

  • 防水:万一外壁の内側に水が入っても、構造体まで届かせない
  • 透湿:壁の中の湿気は外に逃がす

ここは誤解されやすいところなのですが、このシートが一次防水です。

「外壁材が防水しているのでは」と思うかもしれません。でも順番は逆で、外壁材の裏に水が回ることは、はじめから想定されています。回ってきた水を止めて、構造体を守っているのがこのシートです。

ここは施主さんにぜひ知っておいてほしいところです。外壁を張っても、水は入ります。

これは施工が悪いわけではありません。はじめからそういうつくりなんです。だから、入った水が抜けるように通気層をつくり、構造体まで届かないようにシートを張る。外壁は一枚で守っているのではなく、何層かで守る仕組みになっています。

表からは絶対に見えなくなる部分ですが、家を長持ちさせるうえでは一番重要な層だと思っています。

作業自体は1日で終わります。


② 胴縁:1日

シートの上に、胴縁という木材を取り付けます。この胴縁に外壁材を留めていきます。

胴縁を入れることで、外壁材と防水シートの間に隙間ができます。これが通気層です。壁の中の湿気が、この隙間を通って上に抜けていきます。

なお、前の記事でも書きましたが、いまは通気金具工法——胴縁を使わず、金具だけで通気をとる工法も主流です。その場合はこの工程が変わります。


③ 軒天 → 壁 → 破風 → 補修:8日前後

ここが工事の本体です。8日前後かかります。

なぜ軒天からなのか

軒天(のきてん)は、屋根が外壁から張り出している部分の裏側、見上げると見える面です。

外壁工事は、ここから始まります。

理由ははっきりしていて、先に軒天を張らないと、そのあとの絡みが進まなくなるからです。壁は軒天に突き当たる形で納まるので、軒天が決まっていないと壁の納まりが決められません。

順番を間違えると、あとから直すのが大変になる。だから軒天が最初です。

壁を張る

軒天が終わったら、いよいよ外壁本体です。ここが一番時間がかかります。

金具工法なら、金具を取り付けて、板を引っ掛けながら張っていきます。出隅・入隅のコーナー部材、サッシまわりの部材も、この流れで納めていきます。

破風

破風(はふ)は、屋根の妻側(三角に見える側)の端に付いている板です。ここも外壁工事の範囲に入ります。

補修

工程表には「補修」としか書かれませんが、ここで何をしているか、施主さんにはぜひ知っておいてほしいので詳しく書きます。

やっているのは主に2つです。

1. 釘頭の補修

「金具工法なら釘の頭は出ないんじゃないの?」と思うかもしれません。基本はそのとおりです。ただ、金具工法でも釘打ちにせざるを得ない場所があります。

  • 張りじまい(張り終わりの端の部分)
  • サッシの上下
  • 下屋(げや。1階部分などの低い屋根が取り付く箇所)
  • ベランダの中の張り出し部分

こういう場所は、構造上どうしても金具で留められません。そこは釘を打って留めることになります。

その釘の頭を、補修塗料で色を合わせて隠していくのが、この工程です。

2. 切り口のバリを塗る

外壁材は現場で寸法に合わせて切ります。切った断面にはバリ(切り口のささくれ)が出て、切断面は塗装されていない状態です。

このバリの処理と、切り口への塗装もここでやります。

補修は地味な作業ですが、仕上がりの印象を決める工程です。ここを丁寧にやるかどうかで、近くで見たときの見え方が変わります。


④ コーキング:2日

最後にコーキング(シーリング)です。2日かかります。

サッシまわり、部材の取り合いなど、必要な箇所に打っていきます。金具工法の窯業系サイディングなら、板と板の継ぎ目にはコーキングが要らないので、打つ場所は限られます。

ここまで終われば、外壁工事は完了です。


施主が見に行くなら「張り出して3〜4日」

一番聞きたいのはここだと思います。

壁を張り始めてから3〜4日頃が、見に行くのに一番いいタイミングです。

この頃にはかなりの面積が張り終わっています。だから——

  • 工事の進み具合が分かる
  • 外壁の色や質感が、実物として実感できる

サンプルで見た色と、家一軒に張られた色は、印象がまったく違います。この段階で見ておくと、「思っていたのと違う」を早めに気づけます。

逆に、張り始めてすぐだと面積が少なすぎて判断できませんし、全部終わってからだと「見た」というより「完成品を確認した」という感じになります。

進んでいる途中を見るのが、一番おもしろい時期でもあります。

気楽に行って大丈夫です

「行っていいか聞かないと」と身構える必要はありません。自分の家なので、好きなときに見に行っていいと思います。

ただ、タイミングを合わせたいなら、「外壁はいつ頃入りますか」と現場監督に聞いておくといいかもしれません。工程が分かっていれば、張り出して3〜4日という一番いい時期を狙えます。

足場に登るのだけはやめてください。それ以外は、遠慮しなくて大丈夫です。


まとめ

工程日数何をしているか
紙張り1日一次防水のシートを張る
胴縁1日外壁を留める下地。通気層をつくる
軒天8日前後先に張らないと壁の納まりが決まらない
壁外壁本体を張る
破風屋根の妻側の端の板
補修釘頭の色合わせ、切り口のバリ処理
コーキング2日サッシまわりなどに打つ

合計12日前後。ただし雨が降れば止まります。

外壁は、張り上がってしまえば中身が見えなくなる部分の集まりです。紙も、胴縁も、補修も、完成したら分かりません。

だからこそ、途中を一度見ておく価値があると思います。張り出して3〜4日。そのあたりで、ぜひ現場に足を運んでみてください。


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この記事を書いた人:新築外壁施工歴16年の職人。ALCとサイディングを専門に、年間180棟以上の現場で施工管理を担当。

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