「今日は雨だけど、工事は進んでいるんだろうか」
自分の家が建っている最中は、天気予報が気になると思います。雨が続くと「工期は大丈夫か」「濡れたまま張って平気なのか」と、心配になるのも当然です。
施工歴16年の外壁職人として、雨の日の現場が実際どうなっているかを書きます。
きれいごとだけでは書けない部分もあるので、そこは正直に書きます。
雨で止まる工程・止まらない工程
外壁工事といっても、工程によって雨への対応が違います。
雨だと止まる
- サイディング張り
- コーキング
この2つは、雨の日はやりません。
雨でもやる
- 紙張り(透湿防水シート)
- 胴縁
こちらは雨でも進めます。「防水シートを雨の中で?」と思うかもしれません。ここは後で詳しく書きます。
なぜサイディング張りは雨だとダメなのか
理由は3つあります。順番に書きます。
① 材料を濡らしたくない(これが一番)
一番の理由はこれです。外壁材を濡らしたくない。
特に困るのが黒い板です。濡れた状態で扱うと汚れがつきやすく、しかもきれいに取れません。
新品の外壁材に、張る前から汚れが残る。これは避けたい。濃い色を選んだ家ほど、この影響が出やすいんです。
黒やダークグレーの外壁は人気ですが、施工の段階でも気を使う色だということです。
② 足場が滑る
雨に濡れた足場は滑ります。単純に危ない。外壁工事は足場の上での作業なので、ここは無理をする場面ではありません。
③ そもそも進まない
雨の中で作業しても、その日の作業はあまり進みません。
道具は濡れる、材料の扱いに気を使う、視界も悪い。無理に動いても効率が落ちるだけで、いいことがありません。
紙は、濡れていても張ります
ここは正直に書きます。
防水紙は、雨の中でも張ります。下地が濡れていても張ってしまいます。
「それって大丈夫なの?」と思いますよね。
正直に言えば、晴れていて濡れていないときに張る方がいいに決まっています。それは間違いありません。
ただ、現場には工程の都合があります。そして、そもそも建て方(家の骨組みを組む工事)自体、雨の中でやることがあるんです。木材が濡れた状態で建っていくことは、珍しくありません。
そう考えると、「紙を雨の日に張るのはダメだ」と言い切るのも、実際とは合っていない。
なんとも言えない、というのが正直なところです。
きれいごとを書けば「必ず乾いてから」となりますが、家づくりの現場はそういうふうには回っていません。ここは隠さずに書いておきます。
途中で降ってきたら、どうするか
朝は晴れていたのに、作業中に降り出すこともあります。そのときの対応は2つです。
① 養生して待機
張りかけの部分を養生して、様子を見ます。通り雨で止みそうなら、待って再開します。
② 止まないと分かったら、片付けて帰る
もう止まないと判断したら、片付けて撤収します。
無理に続けても、材料を汚して足場で滑るだけです。判断が早い方が結果的にいい。
工期はどうなるのか
一番気になるのはここだと思います。
そもそも雨は計算に入っています
工程は、雨も考慮して組みます。「毎日晴れる前提」でスケジュールを引くことはありません。なので、多少の雨で全体がずれることはあまりありません。
それでも足りなければ、工程を伸ばす
想定を超えて雨が続けば、現場監督に伝えて工程を伸ばしてもらいます。
これは隠すことではないので、遅れが出るなら監督から施主さんに話が行くはずです。
施主として知っておいてほしいこと
現場を見に行って、誰もいない日があるかもしれません。
それは、たぶんサボっているわけではありません。
雨の日にサイディングを張らないのは、正しい判断です。むしろ——
雨の中で平気で張っている業者の方が、心配した方がいいと思います。
材料を汚してでも、足場で滑る危険を冒してでも進める理由は、あまりありません。工程が押していて無理をしているか、そもそも気にしていないかのどちらかです。
「今日は雨なので外壁は休みです」と言われたら、まっとうな現場だと思ってください。
まとめ
| 工程 | 雨の日 |
|---|---|
| 紙張り | やる(濡れていても張る) |
| 胴縁 | やる |
| サイディング張り | 止まる(材料を汚す・足場が滑る・進まない) |
| コーキング | 止まる |
- 雨は最初から工程に見込まれている
- 想定を超えたら、監督に伝えて工程を伸ばす
- 雨の日に外壁を張っていない現場は、正常です
家が建つ期間は、天気に一喜一憂すると思います。ただ、雨で止まるのは工事が順調でない証拠ではなく、むしろちゃんと判断している証拠です。
そこは安心して見ていてください。
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この記事を書いた人:新築外壁施工歴16年の職人。ALCとサイディングを専門に、年間180棟以上の現場で施工管理を担当。
