雨の日、外壁工事はどうなる?職人が現場の実際を話します

5. 職人コラム

「今日は雨だけど、工事は進んでいるんだろうか」

自分の家が建っている最中は、天気予報が気になると思います。雨が続くと「工期は大丈夫か」「濡れたまま張って平気なのか」と、心配になるのも当然です。

施工歴16年の外壁職人として、雨の日の現場が実際どうなっているかを書きます。

きれいごとだけでは書けない部分もあるので、そこは正直に書きます。


雨で止まる工程・止まらない工程

外壁工事といっても、工程によって雨への対応が違います。

雨だと止まる

  • サイディング張り
  • コーキング

この2つは、雨の日はやりません。

雨でもやる

  • 紙張り(透湿防水シート)
  • 胴縁

こちらは雨でも進めます。「防水シートを雨の中で?」と思うかもしれません。ここは後で詳しく書きます。


なぜサイディング張りは雨だとダメなのか

理由は3つあります。順番に書きます。

① 材料を濡らしたくない(これが一番)

一番の理由はこれです。外壁材を濡らしたくない。

特に困るのが黒い板です。濡れた状態で扱うと汚れがつきやすく、しかもきれいに取れません。

新品の外壁材に、張る前から汚れが残る。これは避けたい。濃い色を選んだ家ほど、この影響が出やすいんです。

黒やダークグレーの外壁は人気ですが、施工の段階でも気を使う色だということです。

② 足場が滑る

雨に濡れた足場は滑ります。単純に危ない。外壁工事は足場の上での作業なので、ここは無理をする場面ではありません。

③ そもそも進まない

雨の中で作業しても、その日の作業はあまり進みません。

道具は濡れる、材料の扱いに気を使う、視界も悪い。無理に動いても効率が落ちるだけで、いいことがありません。


紙は、濡れていても張ります

ここは正直に書きます。

防水紙は、雨の中でも張ります。下地が濡れていても張ってしまいます。

「それって大丈夫なの?」と思いますよね。

正直に言えば、晴れていて濡れていないときに張る方がいいに決まっています。それは間違いありません。

ただ、現場には工程の都合があります。そして、そもそも建て方(家の骨組みを組む工事)自体、雨の中でやることがあるんです。木材が濡れた状態で建っていくことは、珍しくありません。

そう考えると、「紙を雨の日に張るのはダメだ」と言い切るのも、実際とは合っていない。

なんとも言えない、というのが正直なところです。

きれいごとを書けば「必ず乾いてから」となりますが、家づくりの現場はそういうふうには回っていません。ここは隠さずに書いておきます。


途中で降ってきたら、どうするか

朝は晴れていたのに、作業中に降り出すこともあります。そのときの対応は2つです。

① 養生して待機

張りかけの部分を養生して、様子を見ます。通り雨で止みそうなら、待って再開します。

② 止まないと分かったら、片付けて帰る

もう止まないと判断したら、片付けて撤収します。

無理に続けても、材料を汚して足場で滑るだけです。判断が早い方が結果的にいい。


工期はどうなるのか

一番気になるのはここだと思います。

そもそも雨は計算に入っています

工程は、雨も考慮して組みます。「毎日晴れる前提」でスケジュールを引くことはありません。なので、多少の雨で全体がずれることはあまりありません。

それでも足りなければ、工程を伸ばす

想定を超えて雨が続けば、現場監督に伝えて工程を伸ばしてもらいます。

これは隠すことではないので、遅れが出るなら監督から施主さんに話が行くはずです。


施主として知っておいてほしいこと

現場を見に行って、誰もいない日があるかもしれません。

それは、たぶんサボっているわけではありません。

雨の日にサイディングを張らないのは、正しい判断です。むしろ——

雨の中で平気で張っている業者の方が、心配した方がいいと思います。

材料を汚してでも、足場で滑る危険を冒してでも進める理由は、あまりありません。工程が押していて無理をしているか、そもそも気にしていないかのどちらかです。

「今日は雨なので外壁は休みです」と言われたら、まっとうな現場だと思ってください。


まとめ

工程雨の日
紙張りやる(濡れていても張る)
胴縁やる
サイディング張り止まる(材料を汚す・足場が滑る・進まない)
コーキング止まる
  • 雨は最初から工程に見込まれている
  • 想定を超えたら、監督に伝えて工程を伸ばす
  • 雨の日に外壁を張っていない現場は、正常です

家が建つ期間は、天気に一喜一憂すると思います。ただ、雨で止まるのは工事が順調でない証拠ではなく、むしろちゃんと判断している証拠です。

そこは安心して見ていてください。


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この記事を書いた人:新築外壁施工歴16年の職人。ALCとサイディングを専門に、年間180棟以上の現場で施工管理を担当。

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