外壁の手直しはどこまでできる?職人が実際のところを話します

5. 職人コラム

外壁に傷がついた。コーキングが切れている。ぶつけて割れてしまった。

こういうとき、直せるのか。どこまで直るのか。

施工歴16年の外壁職人として、実際にどんな手直しをしているかを書きます。あわせて、施主さんはどこまで言っていいのかについても正直に書きます。


実際に多い手直しは、この2つ

現場で頼まれる手直しには、はっきりと多いものがあります。

① 割れた外壁の張り替え

これが一番多いです。

外壁をぶつけられた、あるいはこちらがぶつけてしまった。それで板が割れて、張り替えるというケース。

工事中でも、住み始めてからでも起こります。物が当たれば、外壁は割れます。

② 切れたコーキングの打ち替え

もうひとつがこれです。コーキングが切れたので打ち替える。

コーキングは経年で劣化する部材なので、これは避けられません。


「直せないもの」は、ありません

まず、これは言っておきます。

技術的に直せないというものは、基本的にありません。

割れていようが、位置が違おうが、直そうと思えば直せます。

問題は「手間」です

じゃあ何が問題かというと、直すためにどれだけかかるかです。

足場が必要になることがあります。2階、3階の高い場所なら、直すためだけに足場を組むことになる。それだけで十数万円かかります。

そして、手直しの内容によっては1日では終わりません。材料を手配して、既存を外して、納め直して。範囲が広ければ数日仕事になります。

「直せるか」ではなく、「どれだけの手間とお金をかけて直すか」が実際の論点です。


直し方の使い分け

手直しの方法は、傷み方によって変わります。

タッチアップで済むもの

  • 傷
  • 少しの欠け

このくらいなら、補修塗料でのタッチアップで済みます。色を合わせて塗って、目立たなくする。比較的軽い手直しです。

張り替え一択になるもの

  • 割れ
  • ダクトの位置が違う(穴の位置が違う)

ここまで来ると、張り替えるしかありません。

割れた板は塗って隠せるものではありませんし、穴の位置が違えば板そのものを替えることになります。

張り替えには、もうひとつ注意点があります

以前の記事でも書きましたが、張り替えた部分だけ留め方が変わります。

いまのサイディングは金具工法が主流で、板を金具に引っ掛けて留めます。でも途中の一枚だけを入れ替える場合、その板は金具では留められません。そこだけ釘留めになります。

つまり張り替えた部分は、まわりと留め方が違う状態になる。色の違いに加えて、留め方も変わってしまいます。

張り替えは「元通り」ではないということです。


施主は、どこまで言っていいのか

ここが一番聞きたいところだと思います。正直に書きます。

少しのコーキングの切れなら、気にしなくてもいい

小さなコーキングの切れくらいなら、そこまで気にしなくていいと思います。

コーキングは動く部材なので、経年で多少の変化は出ます。すべてを直していたらきりがありません。

ただし、こういうときは言っていい

とはいえ、こういう場合は違います。

  • 見た目がもう嫌だと感じる
  • 建ててからまだ年月が経っていない

築浅で切れているのは、やはり嫌だと思います。そういうときは、直してもらってもいいと思います。遠慮する必要はありません。

なお、どう直すかは業者に任せて大丈夫です。状態を見て適切な方法を選ぶのは、こちらの仕事です。施主さんが工法まで決める必要はありません。

そして、疑問はどんどん聞いてください

これが一番言いたいことです。

疑問に思っていることは、聞いてもらった方がいいです。

理由がひとつあります。

次に同じことが起きたとき、「これは大丈夫なんだ」と分かるからです。

一度説明を聞いておけば、数年後に似たようなことが起きても、不安にならずに済みます。逆に聞かないままだと、そのたびに心配することになる。

「こんなこと聞いていいのかな」と思う必要はありません。聞かれて困る質問は、ほとんどありません。


まとめ

状態直し方
傷・少しの欠けタッチアップ(補修塗料)
割れ張り替え一択
ダクトの位置違い張り替え一択
コーキングの切れ打ち替え(方法は業者の判断)
  • 技術的に直せないものは、基本的にない
  • ただし足場が必要になったり、1日で終わらないことがある
  • 張り替えると、その板だけ釘留めになる(元通りではない)
  • 小さなコーキングの切れは気にしすぎなくていい
  • 見た目が気になる・築浅なら、言っていい
  • 疑問は聞く。次に同じことが起きても不安にならずに済むから

外壁の手直しは、できます。でもきれいに元通り、とは限りません。

だからこそ、そもそも傷をつけないように運んで、ちゃんと張ることが大事なんだと思っています。


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この記事を書いた人:新築外壁施工歴16年の職人。ALCとサイディングを専門に、年間180棟以上の現場で施工管理を担当。

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