外壁の汚れは、どこから出るのか【職人が見てきた傾向】

3. 外壁メンテナンス・塗装

外壁は、必ず汚れます。

どんな高性能な製品でも、年数が経てば汚れる。これは避けられません。

ただ、汚れ方には傾向があります。汚れやすい場所と、そうでもない場所がある。

施工歴16年の外壁職人として、現場や完成後の家を見てきて感じる傾向を書きます。

先に断っておくと、科学的に検証した話ではありません。見てきた印象です。そのつもりで読んでください。


必ず汚れるのは「換気口の下」

まず、これははっきりしています。

換気口の下は、黒くなります。

白い外壁の家で特に分かりやすいです。壁全体はきれいなのに、換気口の下だけ黒い筋が出ている。これはよく見かけます。

換気口からは、室内の空気が出ています。その空気に含まれる油分やほこりが壁に付着して、雨で洗い流されきらずに残る。

前にセルフクリーニング機能の記事を書きましたが、その機能がある外壁でも、ここは黒くなっていました。「汚れない外壁」ではなく「雨で流れる外壁」なので、流れきらない場所は残るということだと思います。


汚れがたまりやすいのは「入角」

もうひとつ、思い当たる場所があります。

入角(いりずみ)です。

入角は、壁と壁が内側に向かって合わさる角のことです。建物が凹んでいる部分の角、と考えてください。逆に、外側に出っ張った角が出隅(ですみ)です。

この入角は、汚れがたまりやすい印象があります。

理由まで断定はできませんが、汚れが流れ落ちにくく、溜まる場所なのだと思います。角になっているぶん、雨も風も素直に抜けていかない。

建物の形が複雑になるほど入角は増えます。凹凸の多い外観にすると、汚れやすい場所もそれだけ増えるということかもしれません。


たまにある「一面だけコケ」

もうひとつ、印象に残っているのがこれです。

壁の一面だけ、コケが生えて汚れている家を、たまに見かけます。

築何年かは分からないので、年数のせいなのか条件のせいなのかは言えません。ただ、家全体が均等に汚れているのではなく、特定の一面だけが違うというのは、印象に残ります。

どの面に多いか、というところまでは、正直はっきり言えません。サンプルを取って調べたわけではないので。


逆に、きれいな面もあります

ここからはあくまで憶測です。そう断ったうえで書きます。

雨が当たって、日も当たっている面は、比較的きれいだと思います。

理由として考えられるのは2つです。

  • 雨が当たる=汚れが流れる
  • 日が当たる=乾く。コケや藻が育ちにくい

どちらか一方ではなく、両方そろっている面がきれいに見える。そんな印象があります。


設計で防げるか:軒を出す

「建てる前に手を打てますか」と聞かれたら、答えはひとつです。

軒が出せるなら、それに越したことはありません。

軒が深ければ、壁に雨が当たらなくなります。濡れなければ、汚れも付きにくい。

ただし、トレードオフがあります

以前の記事に書いたとおり、軒を出すと、そのぶん建物が小さくなります。

軒先は隣の敷地にはみ出せないので、軒を出した分だけ外壁を内側に下げることになる。両側で畳一枚分近く縮むこともあります。

だから「軒を出せば解決」とは言えません。敷地に余裕があるなら出した方がいい、というのが正確なところです。

土地がぎりぎりなら、そこは他の条件と天秤にかけてください。


色の影響が、一番大きい

汚れの話で、結局のところ一番効いてくるのは色だと思います。

白は、最初がきれいです

白い外壁は、建てたときが一番きれいです。

新築の白い壁は本当にきれいで、選びたくなる気持ちはよく分かります。

ただ、時が経てば経つほど、汚くなっていきます。

汚れは基本的に黒っぽいものなので、白い壁では全部が見えてしまう。雨だれも、換気口の下も、コケも。

白を選ぶなら、知っておいてください

白がダメだと言いたいわけではありません。

白を選ぶなら、汚れが目立つことを承知のうえで選んでほしいということです。

そのうえで、こういう手は打てます。

  • セルフクリーニング機能付きの製品を選ぶ
  • 軒が出せるなら出す
  • 換気口の位置を設計段階で相談する

まとめ

場所・条件傾向
換気口の下必ず黒くなる
入角(内側の角)汚れがたまりやすい
一面だけコケたまに見かける。条件までは分からない
雨も日も当たる面比較的きれい(あくまで印象)
軒の下濡れないので汚れにくい
色白は最初きれい、経つほど汚れが目立つ

外壁の汚れは、完全には防げません。

でも、傾向を知っていれば手は打てます。軒を出す、色を選ぶ、換気口の位置を考える。どれも建てる前にしかできないことです。

そして、汚れてしまったものは塗り替えできれいになります。そこは悲観しなくて大丈夫です。


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この記事を書いた人:新築外壁施工歴16年の職人。ALCとサイディングを専門に、年間180棟以上の現場で施工管理を担当。

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