外壁に傷がついた。コーキングが切れている。ぶつけて割れてしまった。
こういうとき、直せるのか。どこまで直るのか。
施工歴16年の外壁職人として、実際にどんな手直しをしているかを書きます。あわせて、施主さんはどこまで言っていいのかについても正直に書きます。
実際に多い手直しは、この2つ
現場で頼まれる手直しには、はっきりと多いものがあります。
① 割れた外壁の張り替え
これが一番多いです。
外壁をぶつけられた、あるいはこちらがぶつけてしまった。それで板が割れて、張り替えるというケース。
工事中でも、住み始めてからでも起こります。物が当たれば、外壁は割れます。
② 切れたコーキングの打ち替え
もうひとつがこれです。コーキングが切れたので打ち替える。
コーキングは経年で劣化する部材なので、これは避けられません。
「直せないもの」は、ありません
まず、これは言っておきます。
技術的に直せないというものは、基本的にありません。
割れていようが、位置が違おうが、直そうと思えば直せます。
問題は「手間」です
じゃあ何が問題かというと、直すためにどれだけかかるかです。
足場が必要になることがあります。2階、3階の高い場所なら、直すためだけに足場を組むことになる。それだけで十数万円かかります。
そして、手直しの内容によっては1日では終わりません。材料を手配して、既存を外して、納め直して。範囲が広ければ数日仕事になります。
「直せるか」ではなく、「どれだけの手間とお金をかけて直すか」が実際の論点です。
直し方の使い分け
手直しの方法は、傷み方によって変わります。
タッチアップで済むもの
- 傷
- 少しの欠け
このくらいなら、補修塗料でのタッチアップで済みます。色を合わせて塗って、目立たなくする。比較的軽い手直しです。
張り替え一択になるもの
- 割れ
- ダクトの位置が違う(穴の位置が違う)
ここまで来ると、張り替えるしかありません。
割れた板は塗って隠せるものではありませんし、穴の位置が違えば板そのものを替えることになります。
張り替えには、もうひとつ注意点があります
以前の記事でも書きましたが、張り替えた部分だけ留め方が変わります。
いまのサイディングは金具工法が主流で、板を金具に引っ掛けて留めます。でも途中の一枚だけを入れ替える場合、その板は金具では留められません。そこだけ釘留めになります。
つまり張り替えた部分は、まわりと留め方が違う状態になる。色の違いに加えて、留め方も変わってしまいます。
張り替えは「元通り」ではないということです。
施主は、どこまで言っていいのか
ここが一番聞きたいところだと思います。正直に書きます。
少しのコーキングの切れなら、気にしなくてもいい
小さなコーキングの切れくらいなら、そこまで気にしなくていいと思います。
コーキングは動く部材なので、経年で多少の変化は出ます。すべてを直していたらきりがありません。
ただし、こういうときは言っていい
とはいえ、こういう場合は違います。
- 見た目がもう嫌だと感じる
- 建ててからまだ年月が経っていない
築浅で切れているのは、やはり嫌だと思います。そういうときは、直してもらってもいいと思います。遠慮する必要はありません。
なお、どう直すかは業者に任せて大丈夫です。状態を見て適切な方法を選ぶのは、こちらの仕事です。施主さんが工法まで決める必要はありません。
そして、疑問はどんどん聞いてください
これが一番言いたいことです。
疑問に思っていることは、聞いてもらった方がいいです。
理由がひとつあります。
次に同じことが起きたとき、「これは大丈夫なんだ」と分かるからです。
一度説明を聞いておけば、数年後に似たようなことが起きても、不安にならずに済みます。逆に聞かないままだと、そのたびに心配することになる。
「こんなこと聞いていいのかな」と思う必要はありません。聞かれて困る質問は、ほとんどありません。
まとめ
| 状態 | 直し方 |
|---|---|
| 傷・少しの欠け | タッチアップ(補修塗料) |
| 割れ | 張り替え一択 |
| ダクトの位置違い | 張り替え一択 |
| コーキングの切れ | 打ち替え(方法は業者の判断) |
- 技術的に直せないものは、基本的にない
- ただし足場が必要になったり、1日で終わらないことがある
- 張り替えると、その板だけ釘留めになる(元通りではない)
- 小さなコーキングの切れは気にしすぎなくていい
- 見た目が気になる・築浅なら、言っていい
- 疑問は聞く。次に同じことが起きても不安にならずに済むから
外壁の手直しは、できます。でもきれいに元通り、とは限りません。
だからこそ、そもそも傷をつけないように運んで、ちゃんと張ることが大事なんだと思っています。
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この記事を書いた人:新築外壁施工歴16年の職人。ALCとサイディングを専門に、年間180棟以上の現場で施工管理を担当。
