ハウスメーカーの標準仕様の外壁で十分?職人が正直に答えます

5. 職人コラム

「外壁、標準のままでいいんでしょうか」

打ち合わせが進むと、必ず出てくる悩みだと思います。営業さんからはオプションをすすめられる。でも予算は限られている。どこにお金をかけるべきか分からない。

施工歴16年の外壁職人として、正直に答えます。結論から言うと、標準仕様でも十分なケースは多いです。ただし、ここだけは確認してほしいというポイントがあります。

そして大事なのは、あとから変えられるものと、変えられないものを区別することです。


標準仕様では何が決まっているのか

まず、外壁の「仕様」として決まっているものを整理します。ここを分けて考えないと、判断ができません。

  • 外壁材の種類(窯業系サイディング・金属系サイディング・ALCなど)
  • 厚み
  • 留め方(工法)
  • 表面の塗装グレード
  • 選べる色・柄の範囲
  • コーキング(シーリング)の種類

多くのハウスメーカーでは、標準は窯業系サイディングです。メーカーでいうと、ニチハが採用されていることが多い印象があります。オプションで金属系やタイルにグレードアップできる、という構成が一般的です。

このうち、あとから変えられるのは塗装だけです。塗装は10〜15年後に塗り替えるので、そのときに好きなグレードを選べます。でも素材・厚み・工法は、張り替えない限り変わりません。

だから、お金をかけるべきは素材・厚み・工法の方です。


一番効いてくるのは「厚みと工法」

ここが今日一番伝えたい部分です。

窯業系サイディングには厚みの違いがあり、厚みによって留め方が変わります。

  • 14mm → 釘打ち工法
  • 16mm・18mm → 金具工法

14mm:釘打ち工法

板の表面から釘を打って留めます。当然、表面に釘の頭が出ます。

打ったあとに補修用の塗料で色を合わせるのですが、正直に言うと目立ちます。

遠くから見れば、それほど分かりません。ただ、近くで見ると分かってしまいます。玄関まわりなど、人が近づく場所では気になるかもしれません。

さらに、年月が経つと補修した塗料が剥がれてきて、余計に目立つようになります。ここは知っておいてほしい部分です。

16mm・18mm:金具工法

板の裏側を金具に引っ掛けて留めます。表面に留め具が出ません。

継ぎ目もすっきりして、仕上がりがきれいです。

いまの現場で主流なのは、この中でも通気金具工法です。これは、外部に胴縁(外壁を留めるための下地の木材)を組まず、金具だけで通気をとる工法です。金具そのものが外壁を浮かせる役割を果たすので、木材を入れなくても空気の通り道ができます。

どちらを選ぶべきか

見た目を重視するなら、金具工法が選べるかどうかは確認する価値があります。

「標準の外壁は何mmですか」「釘打ちですか、金具工法ですか」——この2つは、営業さんに聞いてみてください。答えられない場合は、設計や工事の担当者に確認してもらいましょう。


塗装グレードの差はどう考えるか

標準は比較的リーズナブルな塗装、オプションで光触媒や高耐候コーキング、という構成が多いです。

高いグレードにすると、色あせしにくく、汚れにくくなります。これは事実です。

ただ、ここは判断が分かれます。塗装はあとから塗り替えられるからです。10〜15年後の塗り替えのときに、そのとき納得できるグレードを選べばいい、という考え方もできます。

一方で、「塗り替えの回数を減らしたい」「足場を組む回数を減らしたい」という方には、初期投資として高グレードを選ぶ意味があります。足場代だけで毎回15〜25万円かかるので、塗り替え1回分を減らせるなら十分に元が取れます。

どちらが正しいということはありません。何年住む予定かで決めてください。


職人として「お金をかける価値がある」と思うもの

優先順位をつけるなら、こうなります。

優先度が高い

  1. 厚みと工法(14mmか、16mm以上か) — あとから変えられない。仕上がりに直結する
  2. 外壁材の種類 — あとから変えられない

標準で十分なことが多い

  • コーキング — 注文住宅なら、標準で高耐候シーリングが使われていることが多いです。確認しておくくらいで十分です
  • 色・柄 — 標準の選択肢でも十分な種類があります
  • 塗装グレード — 塗り替えで挽回できる

「標準の色は少なくてつまらない」と感じる方もいますが、外壁は面積が大きいので、派手さより無難さが効きます。標準の中から選んでも、後悔することは少ないです。


標準仕様のまま、仕上がりを良くする方法

お金をかけずにできることもあります。

色は面積を考えて選ぶ

小さなサンプルで見た色は、家全体に張ると明るく・薄く見えます。気に入った色より1〜2トーン濃いものを選ぶくらいでちょうどいいことが多いです。

柄は「近くで見る場所」を基準に選ぶ

凹凸の強い柄は、遠くから見ると立体感が出ますが、玄関まわりなど近くで見る場所では主張が強く感じることがあります。

サッシの色と合わせる

外壁だけ決めて、サッシの色を考えていないと、完成したときにちぐはぐになります。濃い色の外壁に白いサッシだと、窓枠だけ浮いて見えることがあります。

これは標準仕様の範囲内でできる調整です。お金はかかりません。


営業さんに聞いてほしい質問

打ち合わせのときに、そのまま使えるリストにしました。

質問何が分かるか
標準の外壁は何mmですか14mmなら釘打ち、16mm以上なら金具工法
釘打ちですか、金具工法ですか釘の頭が表面に出るかどうか
標準の塗装グレードは何ですか色あせ・汚れやすさ
コーキングは高耐候タイプですか打ち替えまでの年数
標準で選べる色は何色ありますか選択肢の幅
オプションにすると何が変わりますか差額に見合うか

最後の質問が一番大事です。「オプションにすると何が良くなるのか」を具体的に説明できない営業さんの提案は、いったん保留にしていいと思います。


まとめ

標準仕様の外壁は、基本的には十分な性能があります。ハウスメーカーが多くの家に採用しているものなので、極端に品質が低いということはありません。

そのうえで判断するなら——

  • あとから変えられないもの(厚み・工法)は確認する
  • あとから変えられるもの(塗装)は、住む年数で決める
  • 色や柄は標準でも後悔しにくい

オプションを全部つけると、外壁だけで数十万円から百万円単位で変わります。全部を上げる必要はありません。効くところだけ上げるのが賢い選び方です。

迷ったら、営業さんに「標準とオプションで、10年後・20年後に何が違いますか」と聞いてみてください。そこに具体的な答えがあるものは、お金をかける価値があります。


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標準仕様の中身は、ハウスメーカーによってまったく違います。上の質問リストを持って、まずは複数社の資料を取り寄せて見比べてみてください。

→ 持ち家計画

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この記事を書いた人:新築外壁施工歴16年の職人。ALCとサイディングを専門に、年間180棟以上の現場で施工管理を担当。

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