ケイミューの金属サイディング「はる・一番」【張った職人の実感】

1. 外壁材の種類と選び方

ガルバリウム外壁のメーカー比較で、3社目に挙げたのがケイミューです。

ケイミューの金属サイディングは「はる・一番」というシリーズです。

施工歴16年の外壁職人として、実際に張ったときの実感を書きます。カタログに書いてあることではなく、現場で感じたことを中心に。


なぜケイミューを選んだのか

正直に書きます。性能で選んだわけではありませんでした。

私が張った現場でケイミューになった理由は、フラットの板があったからです。

当時、たしかフラットの板を出しているのがケイミューだけだったと記憶しています。「凹凸のない、まっすぐな面の外壁にしたい」という要望があると、選択肢がそこしかなかった。

いまは他のメーカーも出しているかもしれません。最近は張っていないのでカタログを見ておらず、そこは正確なことが言えません。あくまで当時の話として読んでください。

ただ、この「選ばれ方」は覚えておいてほしいところです。外壁材は、性能より先に、まず見た目で選ばれることが多いんです。


はる・一番の中身

製品としての特徴を整理します。

素材と構造

表面材はガルバリウム鋼板です。そして芯材に、硬質イソシアヌレートフォームという断熱材が入っています。

金属の板と断熱材が一体になった構造、と考えてください。

断熱性

メーカーの説明では、同等の断熱性能を得るのに窯業系サイディングなら100mm、ALCなら120mm必要なところ、はる・一番は16mmで実現しているとされています。

遮熱性

遮熱性フッ素焼付塗装が施されていて、鋼板の表面で赤外線を反射します。表面の温度上昇を抑える働きです。

黒や濃い色を選びたい方には、効いてくる部分だと思います。


断熱は、現場で分かります

数字の話をしましたが、実際に体感できます。

まだ何も張っていない状態と、張り終わった後では、明らかに違います。

何が変わるか

一番はっきり変わるのは、温度です。

夏は、結構涼しくなります。

外壁が張られる前、建物の中は外とほとんど同じ環境です。日射も風もそのまま入ってきます。そこに、はる・一番を張り終える。

それだけで、中の温度が変わります。

以前ALCの記事で「張ると大工さんから涼しいという言葉が出る」と書きましたが、金属サイディングでも同じことが起きます。

カタログの数値は実感しづらいものですが、張る前と後を両方知っている人間には、はっきり分かります。


施工は、他社と特に変わりません

これは正直に書きます。

施工のしやすさという点で、他社と大きな違いは感じませんでした。

アイジー工業やニチハと比べて、扱いにくいということも、逆に楽ということもない。金属サイディングとして、普通に張れます。

なので「ケイミューは施工が難しいから避けた方がいい」というような話は、私の経験の範囲ではありません。


傷には、細心の注意を払います

ここが一番書いておきたいことです。

金属サイディングは、傷に対して本当にシビアです。

補修しても、分かります

「傷がついても補修すればいい」と思われるかもしれません。

正直に言います。全然ダメです。

補修塗料を塗っても、もろに分かってしまいます。

近くで見れば、そこだけ塗ったと一目で分かる。窯業系のように柄や凹凸で誤魔化せる素材ではないので、フラットな面ほど目立ちます。

もの自体が板金だからでしょうね。平らな金属の面に塗料を乗せるので、そこだけ質感が変わってしまいます。

それでも、補修を選ぶことが多い

「じゃあ全部張り替えるのか」というと、そうでもありません。

張り替えると、費用も時間もかかります。板を手配して、既存を外して、納め直す。範囲によっては1日では終わりません。

だから、簡単に済ませるなら補修が手っ取り早いというのが現実です。分かってしまうけれど、それでも補修を選ぶ場面は多い。

「直せる/直せない」ではなく、「分かるのを承知で補修するか、費用と時間をかけて張り替えるか」という選択になります。

だから、運ぶときから気を使う

以前、職人の一日の記事で「重い板を、狭いところを、傷つけないように運ぶ」と書きました。

この「傷つけないように」が、金属サイディングでは特に重要です。

張ってしまえば直せない。塗っても分かる。だから、現場に入った瞬間から傷をつけない前提で動きます。

施主さんにも同じことをお願いしたいです。住み始めてからも、外壁に物をぶつけないよう気をつけてください。直せますが、直したことが分かります。


オプション扱い。材料は高いです

はる・一番は、標準仕様ではなくオプションで選ばれるものです。

そして、材料は高い。ガルバリウム外壁全般に言えることですが、窯業系サイディングの標準品と比べると差があります。

ガルバを選ぶ人には、必ずこだわりがあります

これは金属サイディング全体に言えることですが——

ガルバリウム外壁を選ぶ施主さんには、必ずこだわりがあります。

「シンプルにしたい」「金属の質感がいい」「フラットな面にしたい」。何かしら明確な理由があって、追加費用を払ってでも選んでいる。

だから、張る側としても気を使います。こだわって選んだものだと分かっているので。


保証

ケイミューの金属サイディングの保証です。

  • 塗膜変褪色:10年
  • 赤さび・穴あき:10年

なお、メーカー保証を受けるには認定業者による施工が必要です。契約前に確認しておくといいと思います。


まとめ

項目内容
素材ガルバリウム鋼板+硬質イソシアヌレートフォーム(断熱材)
強み断熱性・遮熱性
断熱の体感張る前と後で明らかに違う
施工性他社と特に変わらない
注意点傷は補修しても分かる(板金なので)。ただし張り替えは費用と時間がかかる
位置づけオプション。材料は高い
保証塗膜変褪色10年、赤さび・穴あき10年

ケイミューのはる・一番は、断熱性と遮熱性がはっきりした強みの製品です。

ただ、私が張った現場で選ばれた理由は「フラットの板があったから」でした。性能で選ばれることも、見た目で選ばれることもある。それが外壁材の実際だと思います。

そして、どのメーカーを選んでも共通して言えるのは——金属サイディングは傷に弱いということです。ここだけは、選ぶ前に知っておいてください。


あわせて読みたい


この記事を書いた人:新築外壁施工歴16年の職人。ALCとサイディングを専門に、年間180棟以上の現場で施工管理を担当。

タイトルとURLをコピーしました