外壁の保証は誰が出す?【法律・メーカー・施工会社の3層で整理します】

4. 業者選び・トラブル対策

外壁に不具合が出たとき、誰が直してくれるのか。

「保証があるはず」とは思っても、どの保証が使えるのか、誰に言えばいいのか。ここは分かりにくいところです。

施工歴16年の外壁職人として、現場から見た保証の実際を書きます。あわせて、法律で決まっている部分も調べてまとめました。

先に言っておくと、私は弁護士でも保険の専門家でもありません。契約の詳細は、必ずご自身の契約書と担当者で確認してください。ここでは、大まかな構造を掴んでもらうために書きます。


保証は「3層」になっています

外壁の保証は、ひとつではありません。性質の違うものが重なっています。

  1. 法律で決まっている保証(10年)
  2. メーカー保証(外壁材そのもの)
  3. 施工会社・ハウスメーカーの保証(施工の不備)

順番に見ていきます。


① 法律で決まっている10年

まず土台になるのが、これです。

新築住宅には、引き渡しから10年間の保証が法律で義務づけられています。

「品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)」という法律で、対象になるのは以下の2つです。

  • 構造耐力上主要な部分(柱、梁、基礎など)
  • 雨水の浸入を防止する部分

外壁は、後者に含まれます

外壁は「雨水の浸入を防止する部分」にあたります。屋根や、窓などの開口部の建具も同じです。

つまり、外壁から雨漏りした場合は、引き渡しから10年間、法律上の責任の対象になります。

これは契約書に特別な記載がなくても発生する義務です。「うちは保証をつけていません」ということはできません。

業者が倒産しても守られる仕組みがあります

「10年保証があっても、会社が潰れたら意味がないのでは」と思うかもしれません。

そこで、もうひとつ法律があります。住宅瑕疵担保履行法です。

これは、新築住宅を供給する事業者に対して、保険への加入か、保証金の供託を義務づけるものです。

事業者が倒産して対応できないときは、住宅の取得者が保険法人に直接請求できます。供託の場合も、供託所に還付請求ができます。

つまり、万一の備えまで法律で用意されているということです。


② メーカー保証(外壁材そのもの)

ここからは、法律とは別の話です。

外壁材そのものの不具合は、メーカー保証の範囲になります。

  • 塗膜の不具合(色あせ、剥がれなど)
  • 不良品だった場合

メーカーごとに、保証の年数と内容は決められています。赤さび・穴あき、色あせといった項目ごとに年数が違い、メーカーによっても差があります。

同じ「ガルバリウム外壁」でも、赤さび・穴あきの保証が10年のメーカーもあれば、20年のメーカーもあります。選ぶ製品によって変わるので、契約前に確認してください。

実際に使ったケース

コーキングの切れを、メーカー保証で直したことがあります。

コーキングもメーカーの製品なので、想定より早く切れた場合は保証の対象になり得ます。

認定業者の施工が条件です

メーカー保証を受けるには、そのメーカーの認定業者による施工が必要です。

「この製品を使っている」だけでは足りません。誰が張ったかまで含めて、メーカーが保証の条件を決めています。

契約前に、「この外壁メーカーの認定業者ですか」と確認しておく価値があります。


③ 施工会社・ハウスメーカーの保証

3つめが、施工側の保証です。ここが一番ややこしいところです。

施工会社の保証

工事が完了した現場で、施工不良があった場合——これは施工会社の保証になります。

材料に問題があったのではなく、張り方や納め方に問題があったというケースです。

ハウスメーカーの保証

ハウスメーカーは、1年・3年・5年といった節目で点検を行うのが一般的です。

そこで不備が見つかった場合に、ハウスメーカーの保証として対応することになります。


正直に書きます。線引きは難しいです

ここは隠さずに書いておきます。

施工会社の保証なのか、ハウスメーカーの保証なのか。この切り分けは、実際かなり難しい問題です。

外壁の不具合が、材料のせいなのか、張り方のせいなのか、設計のせいなのか。はっきり分かれないことがあります。

そして、関わっている会社が複数あるのが普通です。ハウスメーカーがいて、その下に施工会社がいて、材料はメーカーのもの。

だから、どこが責任を持つかで話がまとまらないことがあります。

施主としてどうすればいいか

こういうとき、施主さんが会社間の切り分けを考える必要はありません。

自分が家を建てたハウスメーカーか工務店に伝えてください。契約した相手です。そこから先の整理は、業者側の仕事です。

「これはメーカーの問題では」「いや施工では」という話に施主さんが巻き込まれるのは、本来おかしいことです。


保証の対象外になるもの

これははっきりしています。

自分で壊してしまった場合は、保証の対象外です。

物をぶつけて割った、何かを取り付けようとして穴を開けた——こういうケースは、保証では直りません。実費での修理になります。

以前の記事にも書きましたが、張り替えは元通りにならないこともあります。色も、留め方も変わる。だから、そもそもぶつけないのが一番です。


契約前に確認しておくといいこと

確認することなぜ
外壁メーカーの認定業者かメーカー保証の条件になる
メーカー保証の年数と内容赤さび・穴あき・色あせで年数が違う
施工会社の保証は何年か法律の10年とは別にあるか
点検はいつあるか1年・3年・5年など
不具合が出たら、どこに連絡するか窓口をひとつ決めておく

最後の「どこに連絡するか」が、実は一番大事かもしれません。いざというときに「どこに言えばいいか分からない」となるのが、一番困ります。


まとめ

層何を保証するか
法律(10年)雨水の浸入。業者が倒産しても保険・供託で守られる
メーカー保証外壁材そのもの(塗膜・不良品)。認定業者の施工が条件
施工会社・ハウスメーカー施工の不備。点検で見つかったもの
対象外自分で壊してしまった場合

外壁の保証は3層になっていて、どれが使えるかは不具合の中身で変わります。

そして、その切り分けは正直に言って難しい。だからこそ、施主さんは切り分けを考えずに、家を建てたハウスメーカーか工務店に伝えてください。

疑問があれば聞いてください。一度聞いておけば、次に何かあったときも落ち着いて対応できます。


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この記事を書いた人:新築外壁施工歴16年の職人。ALCとサイディングを専門に、年間180棟以上の現場で施工管理を担当。

※法律に関する記述は、国土交通省および住宅瑕疵担保責任保険協会の公開情報をもとにまとめています。個別の契約内容については、必ずご自身の契約書と担当者にご確認ください。

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