これまでガルバリウム外壁の記事をたくさん書いてきましたが、ケイミューの本当の主力は窯業系サイディングです。
なかでも代表的なのが「光セラ」です。
施工歴16年の外壁職人として、実際に張った実感と、数年経った家を見た印象を書きます。
光セラとは何か
光セラは、窯業系サイディングの表面に2つのコーティングを施した製品です。
光触媒コート
太陽光(紫外線)の力で、外壁に付いた汚れを分解します。分解された汚れは付着力が弱まり、雨で流れ落ちやすくなります。
セラミックコート
紫外線をカットして、下の着色層を守ります。色あせや日焼けを防ぐための層です。
この2つを組み合わせることで、汚れを分解して雨で流すセルフクリーニングが働く、という製品です。
セルフクリーニングは、実際に効いています
カタログの説明は分かりました。では現場ではどうか。
これは実感として、効いていると思います。
私が見た限りでは、5年以上経っていてもきれいでした。
外壁は年数が経つと汚れます。特に雨だれの筋は目立つ。それが光セラの家では、あまり出ていない。
「メーカーが言っているだけ」という機能も世の中にはありますが、これは実際に差が出ていると感じます。
ただし、色と場所によります
正直に書くと、完全に汚れないわけではありません。
白い外壁の場合、大まかな汚れは取れています。ただ、換気口の付近は少し黒くなっている印象があります。
雨が当たって流れる場所は、きれいに保たれる。でも雨がかかりにくい場所は、そこまでではない。
セルフクリーニングは「雨で流す」仕組みです。だから雨がかからなければ働きません。ここは理屈どおりだと思います。
「汚れない外壁」ではなく、「雨が当たるところは汚れが落ちる外壁」と考えてください。
張ってみて分かる、ケイミューの良さ
ここからは、完全に職人目線の話です。
ケイミューは、ニチハより張りやすいです。
これは、はっきりそう感じます。理由は2つあります。
① 軽い
ニチハに比べて、板が軽い。
外壁材は一枚一枚、手で運んで上げていきます。その一枚が軽いというのは、一日を通すとかなり効いてきます。
② 板が真っ直ぐ
こちらの方が大きいかもしれません。
板が真っ直ぐなので、張りやすい。
外壁材は工業製品ですが、わずかな反りや歪みが出ることがあります。それがあると、納めるときに手間がかかります。押さえながら合わせたり、調整したりする必要が出てくる。
ケイミューの板は真っ直ぐなので、そういう苦労が少ない。素直に納まってくれます。
これは施主さんにも関係します
「職人が楽かどうか」は、施主さんには関係ないように思えるかもしれません。
でも、張りやすい材料は、仕上がりも安定します。無理に押さえて納めた場所と、素直に納まった場所では、精度が変わってきます。
材料の素性の良さは、最終的に壁の上に出ます。
傷の話:窯業系は、補修で分からなくなります
前の記事で、金属サイディングについて「傷は補修しても分かってしまう」と書きました。
窯業系は違います。
ある程度は、分からなくなります
窯業系サイディングの傷は、補修すればある程度分からなくなります。
柄や凹凸がある分、金属のフラットな面より誤魔化しが効くというのもあります。
ケイミューの補修液は、特にいい
そのうえで、これは正直に書いておきたいのですが——
ケイミューの補修液は、塗るとかなり分からなくなります。
理屈は分かりませんが、いい補修液なんでしょうね。塗った箇所が本当に目立たない。
ただし、高いです。ここは正直に。
それでも、傷つけない前提で動きます
補修で分からなくなるなら気にしなくていいのか、というと違います。
外壁は仕上げ材です。張ったらそれが家の外観になる。だから、金属と同じように、極力傷や欠けが出ないようにしています。
直せるかどうかと、傷つけていいかどうかは別の話です。
光セラはオプションです
光セラは、基本的にオプションになります。
材料が高いからです。標準仕様の窯業系サイディングとは、価格帯が違います。
セルフクリーニング機能と長期の色品質がついているぶん、初期費用は上がる。そこをどう考えるかです。
保証:「40年」と「15年」は別の話です
ここは分かりにくいので、整理して書きます。
光セラの説明で「色40年」という数字を見ることがあります。一方で「色15年保証」という表記もある。どちらが本当なのか。
両方本当です。ただし意味が違います。
「色40年」は品質の表現
「色40年品質」は、光セラ18・フラットデザインパネル・レジェールが対象です。
ただしこれは製品の品質を表す言い方であって、保証年数ではありません。
「色15年」が保証です
実際の変褪色保証は15年です。そして、これには条件があります。
- スーパーKMEWシール40/30(またはスーパーKMEWシールZ40)
- 純正の出隅部材(同質出隅・パネル出隅・鋼板出隅)
- 純正の留め金具
これらをセットで使うことが保証の条件です。
つまり「光セラを使えば15年保証」ではなく、「光セラと純正部材一式を使えば15年保証」ということになります。
契約前に、こう聞いてください
コーキングの記事でも書きましたが、カタログの数字は営業さんにとって使いやすいものです。
「40年」と言われたとき、それが品質の話なのか保証の話なのかは、聞かないと分かりません。
聞き方はシンプルです。
「保証書には、何が何年と書かれますか」
これで、実際の保証内容がはっきりします。
まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 機能 | 光触媒コート+セラミックコート。汚れを分解して雨で流す |
| 汚れ落ち | 5年以上経ってもきれい。ただし換気口付近など雨がかからない場所は黒くなる |
| 張りやすさ | ニチハより軽く、板が真っ直ぐ。張りやすい |
| 傷 | 補修である程度分からなくなる。ケイミューの補修液は特にいい(ただし高い) |
| 位置づけ | オプション。材料は高い |
| 保証 | 色40年は「品質」、色15年が「保証」。純正部材とのセット使用が条件 |
ケイミューの光セラは、汚れに対する機能がはっきりしている製品です。そして張る側から見ると、材料としての素性がいい。
白や明るい色を選びたいけれど汚れが心配、という方には、検討する価値があると思います。
そのうえで、オプションなので費用は上がります。「汚れにくさに、その差額を払う価値があるか」——そこで判断してください。
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この記事を書いた人:新築外壁施工歴16年の職人。ALCとサイディングを専門に、年間180棟以上の現場で施工管理を担当。

